小児上腕骨外顆骨折の治療成績

「要旨」小児上腕骨外顆骨折は関節内骨折であり正確な解剖学的整復が必要とされる. 我々の施設において手術加療を施行した症例の治療成績を, K-wireのみによる鋼線固定群 (K群) とtension band wiring群 (T群) に分け比較検討した. K群10例, T群9例であった. 骨折型分類はWadsworth分類を用いた. 検討項目はcarrying angle・骨癒合期間・fish tail deformityの有無・屈伸可動域・術後合併症である. 治療成績の判定にはFlynnの評価基準を用いた. Carrying angleはT群において有意に内反変形を認めた. K群において術後...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2011-03, Vol.20 (1), p.103-108
Hauptverfasser: 河野亮平, 佐藤由佳, 高瀬勝己, 山本謙吾, 三部順也, 渡邉泰央, 亀岡尊史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」小児上腕骨外顆骨折は関節内骨折であり正確な解剖学的整復が必要とされる. 我々の施設において手術加療を施行した症例の治療成績を, K-wireのみによる鋼線固定群 (K群) とtension band wiring群 (T群) に分け比較検討した. K群10例, T群9例であった. 骨折型分類はWadsworth分類を用いた. 検討項目はcarrying angle・骨癒合期間・fish tail deformityの有無・屈伸可動域・術後合併症である. 治療成績の判定にはFlynnの評価基準を用いた. Carrying angleはT群において有意に内反変形を認めた. K群において術後の鋼線突出により屈伸可動域が制限された症例を認め, 治療成績が有意に不良であった. 鋼線固定のみでは固定力が弱くtension band wiringが望ましいと考えられた. 術後変形は骨端線閉鎖まで進行するため長期の経過観察が必要である.
ISSN:0917-6950