脳性麻痺児の基本運動レベルの経年的推移

「要旨」脳性麻痺の粗大運動能力の経年的推移について松尾の基本運動レベルを使用し, 粗大運動能力分類別に調査した. 対象は当センターの利用者の中で非手術の脳性麻痺児者61例である. 男女比は31 : 30, 初診時年齢は1~23歳 (平均5.5歳) , 経過観察期間は4~43年 (平均25.2年) であった. 粗大運動能力分類システムでレベルI~Vは順に6例, 6例, 11例, 16例, 22例であった. カルテより基本運動レベルを毎年, 評価した. 各レベルとも幼児期は年齢とともに発達していくが, レベルIはかがみ肢位歩行, Vは寝返りレベルで維持され, II, III, IVは3~4歳頃にプ...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2011-03, Vol.20 (1), p.69-74
Hauptverfasser: 中寺尚志, 星野弘太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」脳性麻痺の粗大運動能力の経年的推移について松尾の基本運動レベルを使用し, 粗大運動能力分類別に調査した. 対象は当センターの利用者の中で非手術の脳性麻痺児者61例である. 男女比は31 : 30, 初診時年齢は1~23歳 (平均5.5歳) , 経過観察期間は4~43年 (平均25.2年) であった. 粗大運動能力分類システムでレベルI~Vは順に6例, 6例, 11例, 16例, 22例であった. カルテより基本運動レベルを毎年, 評価した. 各レベルとも幼児期は年齢とともに発達していくが, レベルIはかがみ肢位歩行, Vは寝返りレベルで維持され, II, III, IVは3~4歳頃にプラトーに達し, 10歳代後半から30歳代までに低下し, その比率は, それぞれ50%, 91%, 56%であり, 平均でIIはかがみ肢位歩行から歩行器歩行, IIIは杖歩行から膝立ち, IVは四つ這い交互性のままであった. この経過が患児の支援計画の検討や親への説明に役立つと思われる.
ISSN:0917-6950