小児期の慢性腰痛について

「要旨」小児期あるいは成長期に特徴ある慢性の腰部症状例のあることを知った. 患児らはその症状を判然と表現することができず, 我々診療者も理解し得なかった. 本症の病態は腰椎, 骨盤支持機構の機能不全の状態と考える. 平成20年3月~7月までの5か月間に18歳以下で本症と診断し, 当院で加療した45例 (男28例, 女17例), 平均年齢14.9歳 (11~18歳) について調査した. 訴えは「腰が張る, かたくなる」が27.5%, 「じっとして居れない, 腰を動かしたくなる」が26.3%, 「腰が重い」17.5%などであった. 症状は腰椎の可動域制限があり, タイトハムストリングス陽性例が多い...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2010-02, Vol.19 (1), p.119-123
Hauptverfasser: 吉田徹, 坪井亜紀子, 中根健, 西貴子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」小児期あるいは成長期に特徴ある慢性の腰部症状例のあることを知った. 患児らはその症状を判然と表現することができず, 我々診療者も理解し得なかった. 本症の病態は腰椎, 骨盤支持機構の機能不全の状態と考える. 平成20年3月~7月までの5か月間に18歳以下で本症と診断し, 当院で加療した45例 (男28例, 女17例), 平均年齢14.9歳 (11~18歳) について調査した. 訴えは「腰が張る, かたくなる」が27.5%, 「じっとして居れない, 腰を動かしたくなる」が26.3%, 「腰が重い」17.5%などであった. 症状は腰椎の可動域制限があり, タイトハムストリングス陽性例が多い. X線所見では軽度の腰椎側弯を呈する例が多く, 脊柱側弯-椎体回旋の乖離所見を呈する例がある. 治療は理学療法士による運動療法で椎間関節の拘縮の除去, 多裂筋などのリラクセーション, タイトハムストリングスのストレッチングなどで症状は改善した.
ISSN:0917-6950