先天性股関節脱臼の診断遅延例と股関節健診の問題点

「要旨」診断が遅延した先天性股関節脱臼例を早期発見例と比較し, 健診のあり方について検討した. 過去10年間に治療した89例94股を対象とした. 生後6か月以降に発見された遅延群は20例21股, 6か月以前の早期群は69例73股であった. 遅延群では男子が20% (早期群13%) であった. 家族歴のあった10例はすべて早期群であった. 保健所健診での遅延群は16例 (28%), 医療機関では4例 (13%) であった. 遅延群での最終整復方法は, RB法が2股10% (早期群35股48%), 徒手整復術が3股14% (5股7%), OHT法4股19% (14股19%), 観血的整復術10股4...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2008-02, Vol.17 (1), p.65-68
Hauptverfasser: 野村忠雄, 峰松康治, 伊井定雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」診断が遅延した先天性股関節脱臼例を早期発見例と比較し, 健診のあり方について検討した. 過去10年間に治療した89例94股を対象とした. 生後6か月以降に発見された遅延群は20例21股, 6か月以前の早期群は69例73股であった. 遅延群では男子が20% (早期群13%) であった. 家族歴のあった10例はすべて早期群であった. 保健所健診での遅延群は16例 (28%), 医療機関では4例 (13%) であった. 遅延群での最終整復方法は, RB法が2股10% (早期群35股48%), 徒手整復術が3股14% (5股7%), OHT法4股19% (14股19%), 観血的整復術10股48% (18股25%), 転院1股1% (2股10%) であった. 男子や家族歴のない児では見逃され易く, 一旦見逃されると歩行開始まで気付かれず, 観血的整復術を必要とする確率が高くなり, 患児・家族への治療負担が増加する. 健診システムの再検討と診断技術の向上を図るべきである.
ISSN:0917-6950