乳児の急性血行性鎖骨骨髄炎の1例

「要旨」乳児の急性鎖骨骨髄炎は稀な疾患で, 治療法, 予後についても未だ確立していない. 切開排膿と抗菌剤投与で軽快した症例を経験した. 生後6週の男児. 発熱と左鎖骨部の膨瘤, 腫脹, 発赤が出現し, WBC, CRP, ESRが上昇し, 尿および膿の細菌培養でmethicillin-resistant Staphylococcus aureusが陽性であった. X線像では, 左鎖骨部中央部から外側にかけて骨肥厚と, 中央部に骨吸収像を認めた. 切開排膿とvancomycin hydrochroride投与で軽快した. その後1年10か月間経過を観たが, 再燃はなかった. 新生児, 乳児の急...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2008-02, Vol.17 (1), p.1-3
Hauptverfasser: 渡邉英明, 吉川一郎, 雨宮昌栄, 星野雄一, 稲葉隆, 中村仁, 刈谷裕成
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」乳児の急性鎖骨骨髄炎は稀な疾患で, 治療法, 予後についても未だ確立していない. 切開排膿と抗菌剤投与で軽快した症例を経験した. 生後6週の男児. 発熱と左鎖骨部の膨瘤, 腫脹, 発赤が出現し, WBC, CRP, ESRが上昇し, 尿および膿の細菌培養でmethicillin-resistant Staphylococcus aureusが陽性であった. X線像では, 左鎖骨部中央部から外側にかけて骨肥厚と, 中央部に骨吸収像を認めた. 切開排膿とvancomycin hydrochroride投与で軽快した. その後1年10か月間経過を観たが, 再燃はなかった. 新生児, 乳児の急性鎖骨骨髄炎は, 本邦では2例のみで, 海外でも全骨髄炎患者の3%以下と稀である. この症例は切開排膿と抗菌剤で沈静化した. 抗菌剤の副作用も考えると, CRPが正常になった時点で抗菌剤を中止しても, 十分に沈静化するのではないかと考えられた.
ISSN:0917-6950