大腿骨頭すべり症に対するsmooth pinを用いたpinningの治療経験

「要旨」軽~中等度の大腿骨頭すべり症に対するin situ pinningは比較的よく選択される治療法である. しかし, pin固定後の骨端線の早期閉鎖は, 大腿骨近位の成長障害を引き起こし, 下肢長差を生じさせる. その問題を避けるために, 我々は手術の内固定材料としてsmooth pinを使用してきた. smooth pinで治療した大腿骨頭すべり症の13症例, 15関節 (平均年齢11.5歳) について, pinning後の骨端線の成長の有無を調べた. 15関節中の6関節で, すべりが発生した成長軟骨帯での骨成長を認め, smooth pinは成長軟骨帯の機能を温存可能な内固定材料と思わ...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2007-03, Vol.16 (1), p.75-79
Hauptverfasser: 小野寺智彦, 遠藤重厚, 本田惠, 白倉義博, 嶋村正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」軽~中等度の大腿骨頭すべり症に対するin situ pinningは比較的よく選択される治療法である. しかし, pin固定後の骨端線の早期閉鎖は, 大腿骨近位の成長障害を引き起こし, 下肢長差を生じさせる. その問題を避けるために, 我々は手術の内固定材料としてsmooth pinを使用してきた. smooth pinで治療した大腿骨頭すべり症の13症例, 15関節 (平均年齢11.5歳) について, pinning後の骨端線の成長の有無を調べた. 15関節中の6関節で, すべりが発生した成長軟骨帯での骨成長を認め, smooth pinは成長軟骨帯の機能を温存可能な内固定材料と思われた. 術後の股関節が骨成長するか否かは, 一つの要因からは判断できず, 発生型とすべりの程度, そしてその患者の基礎疾患の有無や成長能力等の様々な因子が関与していると思われた.
ISSN:0917-6950