先天股脱の観血的整復術後に習慣性膝蓋骨脱臼を呈した1例
「要旨」先天股脱でリーメンビューゲル (RB) 治療後の遺残亜脱に対し観血的整復術を施行後, 習慣性膝蓋骨脱臼を発症した症例を経験した. 症例は8歳女児. 生後16日目に左先天股脱と診断され, 生後3か月時から4か月間RBを装着し整復位を得るも, 1歳時に遺残亜脱を呈し, 2歳3か月時に広範囲展開法を施行した. 8歳9か月時, 膝関節を屈曲していくと常に70°付近で膝蓋骨が外側に脱臼するのを認めた. 関節鏡視下外側支帯解離術を行い, 術後5か月の現在, 膝蓋骨は良好な適合性を保っており, 短期ではあるが良好な成績を得た. 後天性膝蓋骨脱臼を起こす素因として, 本症例では膝蓋骨高位, 大腿骨膝蓋...
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Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 2005-01, Vol.14 (1), p.66-70 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」先天股脱でリーメンビューゲル (RB) 治療後の遺残亜脱に対し観血的整復術を施行後, 習慣性膝蓋骨脱臼を発症した症例を経験した. 症例は8歳女児. 生後16日目に左先天股脱と診断され, 生後3か月時から4か月間RBを装着し整復位を得るも, 1歳時に遺残亜脱を呈し, 2歳3か月時に広範囲展開法を施行した. 8歳9か月時, 膝関節を屈曲していくと常に70°付近で膝蓋骨が外側に脱臼するのを認めた. 関節鏡視下外側支帯解離術を行い, 術後5か月の現在, 膝蓋骨は良好な適合性を保っており, 短期ではあるが良好な成績を得た. 後天性膝蓋骨脱臼を起こす素因として, 本症例では膝蓋骨高位, 大腿骨膝蓋骨溝の低形成, 大腿骨の過前捻, 下腿の外旋変形が存在した. その中でも大腿骨の過前捻, 下腿の外旋変形は先天股脱による大腿骨変形, 広範囲展開法における腸腰筋腱の外側移行, 術後のLange肢位でのギプス固定が原因の可能性として考えられた. |
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ISSN: | 0917-6950 |