長野県下諏訪町における乳児先天股脱超音波検診の現状
「要旨」先天性股関節脱臼は少子化や予防法の普及により減少しており, 検診体制も弱体化してきている. 長野県下諏訪町では1992年4月からは先天股脱検診に超音波診断を導入している. 2003年10月までに受診した児は2260人で, 受診年齢は生後2~3か月, 検診場所は当センターで, 費用は町が負担した. 超音波検査で異常と診断された例はX線撮影を追加した. 結果 : 受診率は91%であり, 脱臼6例 (0.3%), 亜脱臼16例, 臼蓋形成不全69例であった. 脱臼, 亜脱臼22例のうち先天股脱家族歴のみられた例は4例のみで, 股関節開排制限のみられなかった例が10例あり, 全例亜脱臼例であっ...
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Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 2005-01, Vol.14 (1), p.40-43 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」先天性股関節脱臼は少子化や予防法の普及により減少しており, 検診体制も弱体化してきている. 長野県下諏訪町では1992年4月からは先天股脱検診に超音波診断を導入している. 2003年10月までに受診した児は2260人で, 受診年齢は生後2~3か月, 検診場所は当センターで, 費用は町が負担した. 超音波検査で異常と診断された例はX線撮影を追加した. 結果 : 受診率は91%であり, 脱臼6例 (0.3%), 亜脱臼16例, 臼蓋形成不全69例であった. 脱臼, 亜脱臼22例のうち先天股脱家族歴のみられた例は4例のみで, 股関節開排制限のみられなかった例が10例あり, 全例亜脱臼例であった. 出生時期では脱臼例は全例11~3月の寒い時期の出生だった. 問診や診察の重要性は言うまでもないが, 股関節開排制限のない脱臼, 亜脱臼例は見逃されやすく, 乳児先天性股関節脱臼のスクリーニングとして超音波診断は有用であり, 超音波による検診を普及し検診を強化していく必要がある. |
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ISSN: | 0917-6950 |