脳性麻痺股関節に対するハムストリング中枢全切離の検討

「要旨」我々は脳性麻痺の股関節に対して松尾法に準じた選択的多関節筋解離術を行っているが, ハムストリングを中枢で全切離することもある. 今回ハムストリングを中枢で全切離した群と延長した群 (半膜様筋はスライド延長か切離, 半腱様筋・大腿二頭筋はフラクショナル延長) の比較検討を行った. 症例は1996年7月~2001年12月までに当センターで股関節に対して選択的多関節筋解離術を行った独歩不可能な症例のうち, 経過観察期間が6か月以上の症例で, 全切離群が34例57股, 延長群が48例86股であった. 運動レベルの変化とMP (migration percentage) の改善の程度を評価した....

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2004-01, Vol.13 (1), p.56-60
Hauptverfasser: 池田啓一, 坂本公宣, 安藤卓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」我々は脳性麻痺の股関節に対して松尾法に準じた選択的多関節筋解離術を行っているが, ハムストリングを中枢で全切離することもある. 今回ハムストリングを中枢で全切離した群と延長した群 (半膜様筋はスライド延長か切離, 半腱様筋・大腿二頭筋はフラクショナル延長) の比較検討を行った. 症例は1996年7月~2001年12月までに当センターで股関節に対して選択的多関節筋解離術を行った独歩不可能な症例のうち, 経過観察期間が6か月以上の症例で, 全切離群が34例57股, 延長群が48例86股であった. 運動レベルの変化とMP (migration percentage) の改善の程度を評価した. 運動レベルでは延長群の方が改善例の割合が多かったが, 運動レベルの重度例が切離群に多かったためと考えた. MPでは切離群の方が2倍以上の改善率を示し, ハムストリング中枢全切離が股関節脱臼に対して有効な改善・予防法であると考えた.
ISSN:0917-6950