装具装着下での実用的歩行能力を獲得した先天性脛骨完全欠損の2例

「要旨」1歳以前の早期から治療を開始し, 装具装着下での実用的歩行能力を獲得した先天性脛骨完全欠損症の2例を経験したので, その治療経過について若干の考察を行い報告する. 2例ともまず始めにBrown法に準じて膝関節形成術を行った後, 足部のSyme切断を行った. 膝蓋骨が欠損していたJones分類1aの膝関節についても, 大腿四頭筋腱をZ延長することで腓骨まで届くように工夫して膝関節伸展機構を再建した. 足部の断端が成熟した後に, 装具装着した状態で歩行訓練を開始し, 2歳前に独歩が可能となっていた. 先天性脛骨完全欠損例に対しては, 早期に膝関節離断を行うことで, 歩行能力を獲得したとの報...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2004-01, Vol.13 (1), p.49-55
Hauptverfasser: 戸祭正喜, 圓尾宗司, 園田万史, 司馬良一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」1歳以前の早期から治療を開始し, 装具装着下での実用的歩行能力を獲得した先天性脛骨完全欠損症の2例を経験したので, その治療経過について若干の考察を行い報告する. 2例ともまず始めにBrown法に準じて膝関節形成術を行った後, 足部のSyme切断を行った. 膝蓋骨が欠損していたJones分類1aの膝関節についても, 大腿四頭筋腱をZ延長することで腓骨まで届くように工夫して膝関節伸展機構を再建した. 足部の断端が成熟した後に, 装具装着した状態で歩行訓練を開始し, 2歳前に独歩が可能となっていた. 先天性脛骨完全欠損例に対しては, 早期に膝関節離断を行うことで, 歩行能力を獲得したとの報告は多い. しかしながら筆者らが経験した2例においては, 大腿骨顆部の低形成を認めたため, 装具装着に際して有利となるように腓骨を残して脚長をできるだけ長く保つことを目的として膝関節形成術とSyme切断を行った.
ISSN:0917-6950