大腿骨頭すべり症術後における頚部長の変化 - cannulated hip screwとpoint threaded K-wire multiple pinningの比較

「要旨」大腿骨頭すべり症9例に対し, cannulated hip screw fixation (5例) またはpoint threaded K-wireによるmultiple pinning (4例) を施行し, 術後の頚部長の変化を比較検討した. 評価はX線におけるPTAと頚部長 (大腿骨頚部軸上でのcrista intertrochantericaから大腿骨頭までの距離) を用いた. 初診時平均年齢は12歳で, 平均18か月追跡した. Cannulated hip screw群では術前PTAが平均47°であったが術後37°に, point threaded K-wire群では術前PTAが平均32°であったが術後28°であった. また頚部長の患/健側比はcannulated hip screw群で術前0.97, 術後0.84であったが, point threaded K-wire群では術前0.97, 術後0.95であった. 術後の骨端線閉鎖時期はcannulated hip screw群で5か月, point threaded K-wire群で12か月であった. Cannulated hip screw群と比較しpoint threaded K-wire群の方が大腿骨頚部の成長が保たれる傾向があった.