分娩麻痺回復経過中に肩関節前下方脱臼をきたした1例

「要旨」上位型分娩麻痺の回復過程においては, 非外傷性に肩関節脱臼を生じる事がある. しかし, その多くは後方脱臼であり前方脱臼の報告は稀である. 我々は, 分娩麻痺自然回復経過中に肩関節前下方脱臼をきたした1例を経験したので報告する. 症例は, 左C5, 6型分娩麻痺で, 生後4カ月で左肩関節脱臼と診断され, 非観血的整復術が不能であった女児に対し, 生後5カ月時に観血的整復術を施行した. 本症例においての前下方脱臼の機序としては, 分娩麻痺が回復する過程において, 上腕骨頭を大胸筋胸骨枝と肩甲下筋が前方へ, 広背筋, 大円筋が下方に牽引することによって, 前下方脱臼をきたしたと考えられる....

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2002-01, Vol.11 (1), p.38-40
Hauptverfasser: 西山真之, 長野昭, 星野裕信, 荻原弘晃
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」上位型分娩麻痺の回復過程においては, 非外傷性に肩関節脱臼を生じる事がある. しかし, その多くは後方脱臼であり前方脱臼の報告は稀である. 我々は, 分娩麻痺自然回復経過中に肩関節前下方脱臼をきたした1例を経験したので報告する. 症例は, 左C5, 6型分娩麻痺で, 生後4カ月で左肩関節脱臼と診断され, 非観血的整復術が不能であった女児に対し, 生後5カ月時に観血的整復術を施行した. 本症例においての前下方脱臼の機序としては, 分娩麻痺が回復する過程において, 上腕骨頭を大胸筋胸骨枝と肩甲下筋が前方へ, 広背筋, 大円筋が下方に牽引することによって, 前下方脱臼をきたしたと考えられる.
ISSN:0917-6950