MRIによって早期の骨変化をとらえ得た小児白血病の1例
「要旨」小児急性白血病のうち骨病変が先行する頻度は約20%とされている. これらは骨病変のみを主症状とし, 白血病に特異的な所見に乏しいままに経過し, 診断確定までに長期間を要することも稀ではない. 今回我々は, MRI所見が診断に有用であった小児急性白血病の1例を経験したので報告する. 症例は3歳の女児で発熱と高度の左股関節部痛を主訴として来院した. MRI T2強調画像で左仙腸関節周囲に骨内外に広がる高信号域を認めた. 化膿性仙腸関節炎と考え, 抗生剤・消炎剤投与を行い, 発熱および左股関節部痛は速やかに改善したが, その後2回にわたり症状の増悪寛解を繰り返した. 経過中に, MRI T2...
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Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 2001-06, Vol.10 (2), p.189-193 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」小児急性白血病のうち骨病変が先行する頻度は約20%とされている. これらは骨病変のみを主症状とし, 白血病に特異的な所見に乏しいままに経過し, 診断確定までに長期間を要することも稀ではない. 今回我々は, MRI所見が診断に有用であった小児急性白血病の1例を経験したので報告する. 症例は3歳の女児で発熱と高度の左股関節部痛を主訴として来院した. MRI T2強調画像で左仙腸関節周囲に骨内外に広がる高信号域を認めた. 化膿性仙腸関節炎と考え, 抗生剤・消炎剤投与を行い, 発熱および左股関節部痛は速やかに改善したが, その後2回にわたり症状の増悪寛解を繰り返した. 経過中に, MRI T2強調画像での高信号域が骨盤全体から両側大腿骨へと拡大していったため, 骨髄穿刺を行った結果, 急性リンパ性白血病と診断された. |
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ISSN: | 0917-6950 |