乳児3か月検診における先天性股関節脱臼に対する徒手検査の有用性について
「要旨」先天性股関節脱臼の検査として徒手検査がある. しかし最近客観的なX線検査, 超音波検査が重視されている. 今回筆者らは徒手検査の有用性につき比較検討した. 3か月検診を行った男児332例, 女児310例, 計642例を調査対象とした. 全例に徒手検査, Graf法を用いた超音波検査を施行した. 先天股脱および臼蓋形成不全とされた24症例を異常群とし正常症例618例と比較した. Allis sign, 開排制限, 皮膚溝非対称は異常群に有意に多く認められた. click signは有意差はなかった. 徒手検査は単独で先天股脱を診断出来るほどの確実性はなかった. ただ異常群では65%以上の...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 2001-06, Vol.10 (2), p.167-170 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「要旨」先天性股関節脱臼の検査として徒手検査がある. しかし最近客観的なX線検査, 超音波検査が重視されている. 今回筆者らは徒手検査の有用性につき比較検討した. 3か月検診を行った男児332例, 女児310例, 計642例を調査対象とした. 全例に徒手検査, Graf法を用いた超音波検査を施行した. 先天股脱および臼蓋形成不全とされた24症例を異常群とし正常症例618例と比較した. Allis sign, 開排制限, 皮膚溝非対称は異常群に有意に多く認められた. click signは有意差はなかった. 徒手検査は単独で先天股脱を診断出来るほどの確実性はなかった. ただ異常群では65%以上の症例に2項目以上の臨床症状が認められた. 特に経過観察だけでなく治療を必要とした症例は全て徒手検査で3項目以上陽性であった. 徒手検査は診断に際し有効な指標といえる. X線, 超音波検査などに加え徒手検査も総合して判断することが重要である. |
---|---|
ISSN: | 0917-6950 |