骨軟骨腫による前腕変形短縮に対する骨延長術の経験

「要旨」骨軟骨腫により前腕の変形, 短縮を来した2例に対して腫瘍切除矯正及び骨延長を同時に行い良好な結果が得られたので報告する. 2例とも尺骨の遠位に腫瘍を認め, 前腕の変形と手関節の可動域制限を認めた. 症例1は腫瘍切除, 橈骨矯正骨切り, 尺骨の延長を行った. 症例2は腫瘍切除, 橈骨, 尺骨ともに変形矯正と延長を行った. 術後可動域制限は消失し, 腫瘍及び変形の再発は認められない. 前腕の骨軟骨腫の約50%は尺骨の短縮と橈骨の弯曲, 手の尺側偏位等の変形を来す. これらにより, 手関節や前腕の可動域制限等の支障を来す. さらに尺骨の短縮が進行すると橈骨頭の亜脱臼が起こり治療成績は不良であ...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 2000-01, Vol.9 (1), p.11-14
Hauptverfasser: 上原健治, 土屋弘行, 森永敏生, 加畑多文, 富田勝郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」骨軟骨腫により前腕の変形, 短縮を来した2例に対して腫瘍切除矯正及び骨延長を同時に行い良好な結果が得られたので報告する. 2例とも尺骨の遠位に腫瘍を認め, 前腕の変形と手関節の可動域制限を認めた. 症例1は腫瘍切除, 橈骨矯正骨切り, 尺骨の延長を行った. 症例2は腫瘍切除, 橈骨, 尺骨ともに変形矯正と延長を行った. 術後可動域制限は消失し, 腫瘍及び変形の再発は認められない. 前腕の骨軟骨腫の約50%は尺骨の短縮と橈骨の弯曲, 手の尺側偏位等の変形を来す. これらにより, 手関節や前腕の可動域制限等の支障を来す. さらに尺骨の短縮が進行すると橈骨頭の亜脱臼が起こり治療成績は不良である. よって変形や障害が重度となる前に変形を矯正することが望ましい. また, それと同時に変形の主原因である腫瘍は切除するべきである. これにより変形の再発が予防でき良好な成績が期待できる.
ISSN:0917-6950