骨端線損傷後の成長障害に対する成長軟骨板移植, および線維芽細胞増殖因子 (bFGF) 局所投与の効果

「要旨」線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor: bFGFと略す)の局所投与と新鮮同系骨端板(GPと略す)移植の併用により, 骨端線損傷後の成長障害防止効果を検討した. 5週齢Lewis系ラットを用いて, 右脛骨近位GP内側1/3を切除し, 骨端線早期閉鎖のモデルを作り, 非手術側の左側を対照とした. 移植片は3週齢ラットの脛骨近位GPから摘出した. I群(切除のみ), II群(GP移植), III群(bFGF充填), IV群(bFGF+GF移植)の4群を作成して処置後24週まで経時的に屠殺し, 下腿骨の形態的, 組織学的検討を行った. I, III群...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 1996-11, Vol.6 (1), p.118-122
Hauptverfasser: 内田理, 井形高明, 木下勇, 武田芳嗣, 加藤真介, 西岡孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor: bFGFと略す)の局所投与と新鮮同系骨端板(GPと略す)移植の併用により, 骨端線損傷後の成長障害防止効果を検討した. 5週齢Lewis系ラットを用いて, 右脛骨近位GP内側1/3を切除し, 骨端線早期閉鎖のモデルを作り, 非手術側の左側を対照とした. 移植片は3週齢ラットの脛骨近位GPから摘出した. I群(切除のみ), II群(GP移植), III群(bFGF充填), IV群(bFGF+GF移植)の4群を作成して処置後24週まで経時的に屠殺し, 下腿骨の形態的, 組織学的検討を行った. I, III群では, 経過とともに成長障害をきたし, 4週で骨性架橋形成による骨端線早期閉鎖が観察された. 特にIII群では, 1, 2週で骨形成がより促進されていた. II群では移植片は生着していたが, 3週以降軽度の成長障害をきたしていた. IV群では, 移植部の軟骨細胞数の増大が8週まで見られ, 最終観察時にも明らかな成長障害は認められなかった. GP移植とbFGF局所投与の併用は骨端線損傷による成長障害を防止する有効な方法であると考えられた.
ISSN:0917-6950