脳性麻痺股関節内転変形に対する軟部組織解離術の成績および適応について

「要旨」脳性麻痺のはさみ脚変形に対する各種手術法を移動レベルで検討した. 対象は49例93肢で, 歩行群 (18例) , 坐位可能群 (14例) , 坐位不能群 (17例) で, 長内転筋・薄筋切離術7肢, これに腸腰筋切離術を加えたもの7肢, さらにハムストリング延長術を追加したもの (周囲筋解離術) 70肢, 大腿骨骨切り術を併用したもの9肢であった. 追跡期間は平均5.8年であった. 坐位可能群には周囲筋解離術を行ったものが多く, 11例 (79%) の症例が杖歩行可能となった. しかし, 坐位可能群2例に股過外転を術後に認め, 下肢の支持性が低下した. X線像でのmigration p...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 1995-11, Vol.5 (1), p.28-34
Hauptverfasser: 野村忠雄, 林律子, 西村一志, 加畑多文, 富田勝郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」脳性麻痺のはさみ脚変形に対する各種手術法を移動レベルで検討した. 対象は49例93肢で, 歩行群 (18例) , 坐位可能群 (14例) , 坐位不能群 (17例) で, 長内転筋・薄筋切離術7肢, これに腸腰筋切離術を加えたもの7肢, さらにハムストリング延長術を追加したもの (周囲筋解離術) 70肢, 大腿骨骨切り術を併用したもの9肢であった. 追跡期間は平均5.8年であった. 坐位可能群には周囲筋解離術を行ったものが多く, 11例 (79%) の症例が杖歩行可能となった. しかし, 坐位可能群2例に股過外転を術後に認め, 下肢の支持性が低下した. X線像でのmigration percentage (MP) は周囲筋解離術またはDVOを追加した例で改善を認めた. MPによる最終成績では優61肢 (66%) , 良21肢 (23%) , 可11肢 (12%) , 不可0肢 (0%) であった. 坐位不能例でのはさみ脚変形には長内転筋・腸腰筋だけの解離術は効果は少なく, 周囲筋解離術の適応となる例が多い. 坐位可能例・歩行例の機能向上には周囲筋解離術が有効である.
ISSN:0917-6950