遺伝性運動感覚性ニューロパチーの1例

「要旨」遺伝性運動感覚性ニューロパチー(HMSN)は, 1968年に提唱された疾患概念で, 従来のCharcot-Marie-Tooth病がこれに含まれ, 現在はDyckらによる7タイプの分類が広く用いられている. 整形外科領域での報告例, 特に乳幼児に対する手術の報告例は比較的少ない. 筆者らは, 幼児期の足部変形に対して手術を施行した本症の1例を経験したので, 神経, 筋生検の結果も含めて報告する. 症例は7歳の男児で, 1歳半の処女歩行開始後も転びやすいため, 某大学病院を受診しHMSNを疑われ経過観察をしていたが, 次第に右内反尖足変形が進行したため, 6歳時に当センターにて軟部組織解...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 1994-11, Vol.4 (1), p.171-177
Hauptverfasser: 油井直子, 神前智一, 窪田誠, 高柳慎八郎, 後藤昭彦, 斎藤浩哉, 室田景久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」遺伝性運動感覚性ニューロパチー(HMSN)は, 1968年に提唱された疾患概念で, 従来のCharcot-Marie-Tooth病がこれに含まれ, 現在はDyckらによる7タイプの分類が広く用いられている. 整形外科領域での報告例, 特に乳幼児に対する手術の報告例は比較的少ない. 筆者らは, 幼児期の足部変形に対して手術を施行した本症の1例を経験したので, 神経, 筋生検の結果も含めて報告する. 症例は7歳の男児で, 1歳半の処女歩行開始後も転びやすいため, 某大学病院を受診しHMSNを疑われ経過観察をしていたが, 次第に右内反尖足変形が進行したため, 6歳時に当センターにて軟部組織解離術および神経筋生検を行った. 神経生検では大径有髄神経線維の著明な減少を認め, 筋生検では未分化なタイプ2C線維が多数を占め神経原性筋萎縮像を呈した. 術後1年の現在, 変形は矯正され経過良好である. 臨床診断は, 病理組織学的所見を総合的に考察して, type IIの一亜型と診断した.
ISSN:0917-6950