小児大腿骨頚部骨折の治療経験

「要旨」1983年から1993年までに治療した小児大腿骨頚部骨折の7例を対象として治療上の問題点に関して検討した. 受傷時年齢は2歳から14歳(平均8歳)で, 男性4例女性3例であった. 受傷原因は交通事故3例, 転倒4例であった. 骨折型はDelbet-Colonna分類でtype II: 3例, type III: 3例, type IV: 1例で, 治療法は転位が軽度な4例は保存的療法を, 整復を要する3例には観血的療法を施行した. 合併症として最も問題となる大腿骨頭壊死を3例に認めた. いずれも受傷時の骨折型はtype IIで, 比較的年長児に認められ, 受傷時に転位を認めないもの2例...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 1994-11, Vol.4 (1), p.102-107
Hauptverfasser: 城戸研二, 河合伸也, 川上不二夫, 脇阪敦彦, 國司善彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」1983年から1993年までに治療した小児大腿骨頚部骨折の7例を対象として治療上の問題点に関して検討した. 受傷時年齢は2歳から14歳(平均8歳)で, 男性4例女性3例であった. 受傷原因は交通事故3例, 転倒4例であった. 骨折型はDelbet-Colonna分類でtype II: 3例, type III: 3例, type IV: 1例で, 治療法は転位が軽度な4例は保存的療法を, 整復を要する3例には観血的療法を施行した. 合併症として最も問題となる大腿骨頭壊死を3例に認めた. いずれも受傷時の骨折型はtype IIで, 比較的年長児に認められ, 受傷時に転位を認めないもの2例にも発生していた. 壊死骨頭に対して2例は観血的療法を施行して良好な結果をえたが, 保存的療法を施行した1例では変形が進行していた. MRIが小児の骨壊死の早期診断にも有用となる可能性を指摘した. 結論として, 治療年齢と骨折型を考慮して治療方針を決定すべきであることを述べた.
ISSN:0917-6950