投球動作の上腕骨の成長に及ぼす影響について

「要旨」投球動作が成長期の上腕骨の成長に及ぼす影響について検討した. 小, 中学生期に6年以上の野球経験を有し, かつ上腕骨近位骨端線障害を疑わせる既往を認めない67例に対し単純X線撮影を施行し, 上腕骨頚体角, 結節高位, 上腕骨長, 上腕骨横径, 皮質および髄腔の横径に占める割合である皮質率, 髄腔率を測定し, 左右差および野球非経験者と比較検討した. 上腕骨頚体角の平均は136.7±5.2°であった. 上腕骨頚体角と大結節位は相関関係にあり, 外反肩の場合は大結節低位となり, 内反肩の場合は大結節高位となっていた. 上腕骨頚体角は非投球側頚体角が内反傾向にある場合は投球側は外反移動し,...

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Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 1994-11, Vol.4 (1), p.71-77
Hauptverfasser: 柏口新二, 井形高明, 岩瀬毅信, 相沢徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」投球動作が成長期の上腕骨の成長に及ぼす影響について検討した. 小, 中学生期に6年以上の野球経験を有し, かつ上腕骨近位骨端線障害を疑わせる既往を認めない67例に対し単純X線撮影を施行し, 上腕骨頚体角, 結節高位, 上腕骨長, 上腕骨横径, 皮質および髄腔の横径に占める割合である皮質率, 髄腔率を測定し, 左右差および野球非経験者と比較検討した. 上腕骨頚体角の平均は136.7±5.2°であった. 上腕骨頚体角と大結節位は相関関係にあり, 外反肩の場合は大結節低位となり, 内反肩の場合は大結節高位となっていた. 上腕骨頚体角は非投球側頚体角が内反傾向にある場合は投球側は外反移動し, 逆に非投球側頚体角が外反傾向にある場合は投球側は内反移動する傾向にあった. 上腕骨の縦および横軸方向の成長に関しては, 横径(骨幅)は野球群, コントロール群ともに利き手側の増大を認め, 特に野球群の増大がめだった. また, 野球群では投球側の皮質が厚く, 髄腔が狭くなっていた. 以上の変化は投球に対する適応およびスポーツ効果と考えることができる.
ISSN:0917-6950