脚長差をきたした膝窩動脈捕捉症候群の1例
「はじめに」脚長差をきたす疾患としては感染や外傷後の骨端線早期閉鎖, ペルテス病や先股脱治療後, 先天性下肢形成不全など, 骨・関節疾患に起因するものが多い. 今回我々は, 膝窩部における腓腹筋の先天性付着異常により膝窩動脈が閉塞し, 下肢の血行不全を生じ脚長差をきたした症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」7歳, 男児主訴: 右下肢短縮および, 筋萎縮現病歴: 6歳時より運動後の右下腿部痛を時に訴えるものの安静により軽快するため放置していた. その後, 母親が右下肢の短縮および大腿部, 下腿部の筋萎縮に気付き来院した. 家族歴, 既往歴には特記すべきものはない. 現症...
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Veröffentlicht in: | 日本小児整形外科学会雑誌 1991-11, Vol.1 (2), p.318-322 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」脚長差をきたす疾患としては感染や外傷後の骨端線早期閉鎖, ペルテス病や先股脱治療後, 先天性下肢形成不全など, 骨・関節疾患に起因するものが多い. 今回我々は, 膝窩部における腓腹筋の先天性付着異常により膝窩動脈が閉塞し, 下肢の血行不全を生じ脚長差をきたした症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」7歳, 男児主訴: 右下肢短縮および, 筋萎縮現病歴: 6歳時より運動後の右下腿部痛を時に訴えるものの安静により軽快するため放置していた. その後, 母親が右下肢の短縮および大腿部, 下腿部の筋萎縮に気付き来院した. 家族歴, 既往歴には特記すべきものはない. 現症: 身長123cm, 体重24 kgの活発な男児であった. 下肢長は右; 61cm, 左; 63 cmと右下肢の2cmの短縮を認め, 軽度の跛行を呈していた. 膝関節, 足関節の変形や可動域制限は認められなかった. |
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ISSN: | 0917-6950 |