Perthes病治療の長期成績 - 長期入院牽引療法

「はじめに」Perthes病は自然経過においても, 一定の段階を経て治癒する疾患であり, 治療の目的は治癒期間の短縮, かつ正常な股関節形態の獲得にある. しかし, 現在までに報告された外科的療法は, かならずしも治癒期間を短縮させたとは言えず, また治療の最終目的である変形性股関節症の予防についての報告も少ない. そのため, 多くの施設において, 再び保存的治療法の徹底に, 治療の主体が戻っている. 当科においても, 開院以来種々の手術療法が試みられてきたが, 同様の理由で, 昭和40年代より, 長期入院牽引療法の徹底が行われてきた. 今回, 初期治療終了後10年以上, 経過観察された症例に...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児整形外科学会雑誌 1991-11, Vol.1 (1), p.56-60
Hauptverfasser: 清水信幸, 門脇徹, 山本利美雄, 美延幸保
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」Perthes病は自然経過においても, 一定の段階を経て治癒する疾患であり, 治療の目的は治癒期間の短縮, かつ正常な股関節形態の獲得にある. しかし, 現在までに報告された外科的療法は, かならずしも治癒期間を短縮させたとは言えず, また治療の最終目的である変形性股関節症の予防についての報告も少ない. そのため, 多くの施設において, 再び保存的治療法の徹底に, 治療の主体が戻っている. 当科においても, 開院以来種々の手術療法が試みられてきたが, 同様の理由で, 昭和40年代より, 長期入院牽引療法の徹底が行われてきた. 今回, 初期治療終了後10年以上, 経過観察された症例について治療成績を検討したので報告する. 「対象および方法」昭和33年から昭和51年までに当科で入院牽引療法を受けた250例のPerthes病患者のうち, 検診に応じ, かつ検診時に成長終了, かつ初期治療終了後10年以上経過観察されていた66例, 72股関節について, 平均23.5歳, 平均追跡期間16.2年での治療成績を股関節症発症の点から検討した.
ISSN:0917-6950