歯周病患者におけるインプラント周囲のプロービングデプスに関する臨床的研究

要旨: 本研究の目的は, 歯周治療後にインプラント治療を行ったメインテナンス中の患者において, 健康なインプラント周囲組織におけるプロービングデプス(PD), プロービング時の出血(BOP)および角化粘膜幅の関連性を明らかにすることである. 124人の患者において, 501本のインプラントおよび3006か所の検査部位の評価を行った. BOPが陰性であり, 健康と考えられるインプラント周囲組織において, PDは, 臼歯部よりも前歯部で, 下顎よりも上顎で有意に大きいことが示され, インプラント埋入部位に影響を受けていることが示唆された. また, BOP陽性率は, PDが大きくなるに従って有意に高...

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Veröffentlicht in:明海歯科医学 2021-09, Vol.50 (2), p.109-116
Hauptverfasser: 林丈一朗, 新家央康, 小玉治樹, 杉山雄一郎, 飯島孝典, 齋藤大嵩, 石井麻紀子, 申基哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨: 本研究の目的は, 歯周治療後にインプラント治療を行ったメインテナンス中の患者において, 健康なインプラント周囲組織におけるプロービングデプス(PD), プロービング時の出血(BOP)および角化粘膜幅の関連性を明らかにすることである. 124人の患者において, 501本のインプラントおよび3006か所の検査部位の評価を行った. BOPが陰性であり, 健康と考えられるインプラント周囲組織において, PDは, 臼歯部よりも前歯部で, 下顎よりも上顎で有意に大きいことが示され, インプラント埋入部位に影響を受けていることが示唆された. また, BOP陽性率は, PDが大きくなるに従って有意に高くなり, PDが3mm以上の部位では, 角化粘膜が無い部位は有る部位よりも有意に高かった. したがって, インプラントにおいては, PDが大きいほどインプラント周囲において炎症が生じており, PDが大きい部位では, 角化粘膜が存在しないと, さらにインプラント周囲疾患発症のリスクが増大することが示唆された.
ISSN:1881-4298