当科における過去8年間の80歳以上入院症例の臨床統計的検討

要旨: 著者らは, 当科における過去8年間(2011年1月から2018年12月まで)の80歳以上高齢入院患者の臨床統計的検討を行った. 症例数は83例(男性28例, 女性55例)入院患者全体の3.7%であった. 1990年代における当科の報告では80歳以上高齢入院患者は1.2%と報告されていることから, やや増加傾向にあった. 入院病名別では, 顎周囲膿瘍などの炎症疾患が54例(55.1%)と最も多かった. 既往歴については男女とも高血圧が最も多く, 次いで心疾患であった. また何らかの薬剤投与は98.8%の症例にみられた. 処置は, 全身麻酔症例が23例, 局所麻酔55例(静脈内鎮静併用13...

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Veröffentlicht in:明海歯科医学 2021-03, Vol.50 (1), p.7-11
Hauptverfasser: 松本安吏, 森一将, 藤原敬子, 内田洋子, 嶋田淳, 廣井美紀, 山本信治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨: 著者らは, 当科における過去8年間(2011年1月から2018年12月まで)の80歳以上高齢入院患者の臨床統計的検討を行った. 症例数は83例(男性28例, 女性55例)入院患者全体の3.7%であった. 1990年代における当科の報告では80歳以上高齢入院患者は1.2%と報告されていることから, やや増加傾向にあった. 入院病名別では, 顎周囲膿瘍などの炎症疾患が54例(55.1%)と最も多かった. 既往歴については男女とも高血圧が最も多く, 次いで心疾患であった. また何らかの薬剤投与は98.8%の症例にみられた. 処置は, 全身麻酔症例が23例, 局所麻酔55例(静脈内鎮静併用13例, 笑気による吸入鎮静法併用4例)であった. 入院期間は3日以内が44.5%で最も多かった. 入院中に重篤な全身疾患を発症した症例が6例(術後異常出血2例, 脳内出血, 狭心症, 視力低下, イレウス, 各1例)認められた. 本検討から高齢者の特異性を把握し, 術中・術後の十分な全身管理を包括的にケアする必要があると考えた.
ISSN:1881-4298