当科における顎矯正手術の臨床統計学的検討
「要旨」 : 今回著者らは, 当科における外科的矯正手術症例の臨床的検討を行う目的で2011年~2014年までの4年間について調査 (以下 : 著者らの報告と略す) し, 以前報告された当科における2003年~2010年までの8年間 (以下 : 前川らの報告と略す) と比較検討した. 尚, 統計処理は平均値の差についてt 検定を行った. その結果, 1. 年間症例数について, 著者らの報告は21.8例であったのに対し, 前川らの報告は25.1例であり有意差は認められなかった. 2. 年齢・性別分布は, 著者らの報告は前川らの報告とともに30歳代までの女性に多く同様の症例分布であった. 3. 手...
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Veröffentlicht in: | 明海歯科医学 2017-02, Vol.46 (1), p.64-70 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」 : 今回著者らは, 当科における外科的矯正手術症例の臨床的検討を行う目的で2011年~2014年までの4年間について調査 (以下 : 著者らの報告と略す) し, 以前報告された当科における2003年~2010年までの8年間 (以下 : 前川らの報告と略す) と比較検討した. 尚, 統計処理は平均値の差についてt 検定を行った. その結果, 1. 年間症例数について, 著者らの報告は21.8例であったのに対し, 前川らの報告は25.1例であり有意差は認められなかった. 2. 年齢・性別分布は, 著者らの報告は前川らの報告とともに30歳代までの女性に多く同様の症例分布であった. 3. 手術方法は, 著者らの報告ではSSRO (sagittal split ramus osteotomy, 以下 : SSROと略す) 単独症例が最も多く施行されていたが, Le Fort I型骨切り術 (以下 : LF Iと略す) +SSROの併用症例が増加傾向にあった. 前川らの報告もSSRO単独症例が最も多く施行されていた. 4. 平均手術時間は, LF I+SSROについて著者らの報告では213.9±41.6分であったのに対し前川らの報告は平均171.6±41.6分と有意に長いことがわっかった. 平均出血量は, 著者らの報告では418.6±247.7mlであったのに対し前川らの報告は平均351.1±538.3ml有意差はなかった. 5. 合併症については, 本邦の他文献報告と比較したところ下唇・オトガイ知覚異常の発生率が著しく少ない結果となった. 有意差の認められた手術時間および出血量について考察したところ, 当科において2008年度より手術器具に超音波メス (以下Piezo Surgery(R)) が用いられており, この結果の一因ではないかと考えた. その他にも術前考察用3-D模型の作成や観血的固定方法などにも工夫がなされており以前とは異なっていることがわかった. そして術後合併症の1つであるオトガイ知覚異常が減少傾向にあることがわかった. |
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ISSN: | 1881-4298 |