フォトンカウンティング型パノラマエックス線撮影装置を利用した歯科用金属のスペクトル解析

「要旨」 : 近年開発されたQuantum Radiographyの技術をパノラマエックス線撮影法に応用することにより, エックス線のフォトン数による画像形成が可能となってきた. 近年口腔内金属による生体アレルギーの問題もありメタルフリーの修復物の需要が高まってきている. 我々は新しい診断方法の一助としてこの検出器を利用した歯科用金属の定性解析ができないかと考えた. 純金属と歯科用金属の撮影を行い, スペクトル解析ソフトを用い口腔内歯科用金属を同定するための定性的スペクトル解析を行えるかどうかを検討した. 検討の指標としてRelative Attenuation Index (RAI : 未知...

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Veröffentlicht in:明海歯科医学 2016-09, Vol.45 (2), p.141-149
Hauptverfasser: 木村直人, 小澤智宣, 井澤真希, 高橋伸年, 奥村泰彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 : 近年開発されたQuantum Radiographyの技術をパノラマエックス線撮影法に応用することにより, エックス線のフォトン数による画像形成が可能となってきた. 近年口腔内金属による生体アレルギーの問題もありメタルフリーの修復物の需要が高まってきている. 我々は新しい診断方法の一助としてこの検出器を利用した歯科用金属の定性解析ができないかと考えた. 純金属と歯科用金属の撮影を行い, スペクトル解析ソフトを用い口腔内歯科用金属を同定するための定性的スペクトル解析を行えるかどうかを検討した. 検討の指標としてRelative Attenuation Index (RAI : 未知物質を透過したエックス線のエネルギー分布に基づいた相対的な減衰量) とSpectrum Deformation Index (SDI : 未知物質を透過したエックス線エネルギー変化量) の二つの指数を求め, 以下結果が得られた. 1. 比重が軽い金属はRAI値が大きくSDI値が小さくなる傾向にあった. 2. 銅付加した場合, 全体的にRAI値が小さくSDI値が大きくなる傾向にあった. 3. 銅付加した場合, 金属同士のRAI値およびSDI値の位置関係に明らかな変化は認められなかった. フォトンカウンティング型パノラマエックス線装置を用いて1mm 厚の単一金属および歯科用金属の解析を行ったところ定性的解析は可能であることが示唆された.
ISSN:1881-4298