顔面非対称症例に対するShort Lingual Osteotomyを用いたSSROとIVROの術後成績

「要旨」: 下顎枝矢状分割術 (SSRO) を顔面非対称症例に適用する際, 遠位骨片の移動により近位骨片と遠位骨片間に干渉が生じ, 近位骨片の偏位が惹起されることがある. そのためSSRO以外の術式として下顎枝垂直骨切り術 (IVRO) や, SSRO時の骨切り線を下顎孔周囲までに限定したshort lingual osteotomy (SL) を行うケースもある. SLは近位骨片と遠位骨片間の干渉減少に役立つと考えられるが, その術後成績には不明な点も多い. そこで, 明海大学病院において片側にIVROとSLを施行した各々4例と6例の顔面非対称症例の術後成績を評価した. 術前から術直後の変化...

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Veröffentlicht in:明海歯科医学 2014-09, Vol.43 (2), p.140-147
Hauptverfasser: 藤田昌樹, 大塚雄一郎, 西野広人, 遠藤則和, 三條恵介, 藤本舞, 吉川秀明, 龍田恒康, 松井成幸, 嶋田淳, 須田直人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」: 下顎枝矢状分割術 (SSRO) を顔面非対称症例に適用する際, 遠位骨片の移動により近位骨片と遠位骨片間に干渉が生じ, 近位骨片の偏位が惹起されることがある. そのためSSRO以外の術式として下顎枝垂直骨切り術 (IVRO) や, SSRO時の骨切り線を下顎孔周囲までに限定したshort lingual osteotomy (SL) を行うケースもある. SLは近位骨片と遠位骨片間の干渉減少に役立つと考えられるが, その術後成績には不明な点も多い. そこで, 明海大学病院において片側にIVROとSLを施行した各々4例と6例の顔面非対称症例の術後成績を評価した. 術前から術直後の変化として, IVROとSLの施行側は共に, 近位骨片が後方偏位する例が多かった. 近位骨片の側方における評価では, IVRO施行例は内外側に多様に偏位したのに対し, SL施行例は外側へわずかに偏位した. 術直後から術1年後の変化として, 全例で近位・遠位骨片の後戻りはわずかであった. 以上より, 両術式施行後ともに良好な安定性が得られ, 顔面非対称症例においてIVROだけでなく, SLも有効な術式であると考えられた.
ISSN:1881-4298