コラーゲンジペプチド (Pro-Hyp, Hyp-Gly) によるマウス骨代謝に対する効果
「要旨」: コラーゲンの変性タンパク質がゼラチンであり, これを酵素などで加水分解したゼラチン加水分解物がコラーゲンペプチドと呼ばれ, 機能性食品素材として用いられている. ヒトやラットにおいてコラーゲンペプチドを摂取すると, 血中に複数のコラーゲン由来のジペプチドが検出される. I型コラーゲンにはPro-Hyp (PO) とHyp-Gly (OG) 配列ともに多く存在し, この成分が生理活性物質として注目されている. そこで本研究では無機リン (Pi) を過剰摂取させ骨形成不良状態を人為的に誘導した高Pi食誘導性硬組織障害モデルマウスを用いたin vivo実験系でPO, OGの骨代謝および骨...
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Veröffentlicht in: | 明海歯科医学 2014-09, Vol.43 (2), p.115-130 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」: コラーゲンの変性タンパク質がゼラチンであり, これを酵素などで加水分解したゼラチン加水分解物がコラーゲンペプチドと呼ばれ, 機能性食品素材として用いられている. ヒトやラットにおいてコラーゲンペプチドを摂取すると, 血中に複数のコラーゲン由来のジペプチドが検出される. I型コラーゲンにはPro-Hyp (PO) とHyp-Gly (OG) 配列ともに多く存在し, この成分が生理活性物質として注目されている. そこで本研究では無機リン (Pi) を過剰摂取させ骨形成不良状態を人為的に誘導した高Pi食誘導性硬組織障害モデルマウスを用いたin vivo実験系でPO, OGの骨代謝および骨組織に与える影響について検討した. さらに正常マウス骨髄細胞由来破骨細胞, 培養骨芽細胞株MC3T3-E1を用いたin vitro実験系で骨吸収, 骨形成に対するPO, OGの効果について検討した. 本モデルマウス血中骨代謝マーカーの測定結果から血中のミネラル濃度や骨代謝ホルモン濃度にPO, OGは大きな影響を示さなかった. しかし, 骨密度を測定した結果, POは海綿骨 (関節軟骨下骨, 一次海綿骨) を増加させ, OGはすべての骨密度を増加させていた. さらに, 骨梁の肥厚が, PO, OG摂取により認められた. 一方, 正常マウス骨髄細胞由来細胞のTRAP陽性多核細胞数は, PO添加で増加し, 逆にOG添加では減少した. また, PO, OGは培養骨芽細株MC3T3-E1の分化と石灰化を促進した. 以上の結果よりPO, OGが骨組織の維持に重要な役割を演ずる可能性を示すことから, コラーゲンジペプチドのPO, OGは骨を保護する新たな生理活性物質である可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1881-4298 |