下顎窩の成長発育に関するCT像解析 - ヒト乾燥頭骸骨による検討
「要旨」: 本研究はCT像を用いて下顎窩周囲領域の関節結節及び関節後結節における矢状断面の画像解析を各年齢別に行い, 計測結果より顎関節窩の成長発育傾向と咬合の発育段階に伴う変化をHellman's dental stageを基準としてその関連性を比較検討することを目的とした. ヒト乾燥頭蓋骨をHellman's dental stage各ステージについてX線CT撮影装置にてフランクフルト平面と平行に撮影を行った. 下顎窩最菲薄部及び同部より内側2mm, 外側2mmの画像をもとに関節結節, 関節後結節の縦距離, 横距離, 角度, 面積, 下顎窩角度の各項目について計測した....
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Veröffentlicht in: | 明海歯科医学 2012-09, Vol.41 (2), p.87-104 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」: 本研究はCT像を用いて下顎窩周囲領域の関節結節及び関節後結節における矢状断面の画像解析を各年齢別に行い, 計測結果より顎関節窩の成長発育傾向と咬合の発育段階に伴う変化をHellman's dental stageを基準としてその関連性を比較検討することを目的とした. ヒト乾燥頭蓋骨をHellman's dental stage各ステージについてX線CT撮影装置にてフランクフルト平面と平行に撮影を行った. 下顎窩最菲薄部及び同部より内側2mm, 外側2mmの画像をもとに関節結節, 関節後結節の縦距離, 横距離, 角度, 面積, 下顎窩角度の各項目について計測した. その結果以下の結論を得た. 1. 下顎窩最菲薄部関節結節および後結節の縦距離, 横距離, 面積の成長率はIA期からIC期に最大を示した. IC期からIVC期までは緩やかな増加傾向を示し, IVC期からVA期では減少した. 角度の成長率はIA期からIC期で増加傾向を示した. それ以後は不規則な増減を示した. 下顎窩角度の成長率はIA期からVA期にかけて緩やかな減少傾向を示した. 2. 下顎窩最菲薄部より内側の関節結節および後結節の縦距離, 面積, 関節結節横距離の成長率はIA期からIC期に最大を示した. IC期からIVC期までは緩やかな増加傾向を示した. IVC期からVA期では減少した. 関節後結節横距離の成長率IA期からIC期に最大を示した. IC期からVA期では成長が認められなかった. 角度の成長率はIA期からIIC期に増加傾向を示した. それ以後の成長は認められなかった. 下顎窩角度の成長率はIA期からIC期に最大を示した. IC期からVA期までは緩やかな減少傾向を示した. 3. 下顎窩最菲薄部より外側の関節結節および後結節の縦距離, 横距離, 面積, 関節後結節角度の成長率はIA期からIC期に最大を示した. IC期からIVC期までは緩やかな増加傾向を示した. IVC期からVA期では減少した. 関節結節角度の成長率はIA期からIC期で増加傾向を示し, それ以降の成長はほとんど認められなかった. 下顎窩角度の成長率はIA期からVA期にかけて緩やかな減少傾向を示した. 4. 下顎窩最菲薄部の内外側2mm部との各項目での成長度比較は, 内外側合わせて4mmの範囲では大きな成長の差は認められなかった. 関節窩内中心部での咬合による成長の差に大きな変化は認められなかった. |
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ISSN: | 1881-4298 |