NGLY1欠損症と遊離N型糖鎖の非リソソーム代謝
ペプチド:N-グリカナーゼ(PNGase)はアスパラギン結合型(N型糖鎖)糖鎖を根元から切断する糖鎖脱離酵素である。私は1993年に哺乳動物細胞の細胞質に本酵素活性を発見して以来、一貫して本酵素の機能研究を行ってきた。2000年に酵素遺伝子を発見し、2007年には本酵素が関わる“非リソソーム糖鎖代謝機構”が広く存在することを提唱した。幸運なことに2008年に日本糖質学会の奨励賞を受賞させていただいたが、その後10年でPNGase(哺乳動物の遺伝子名はNGLY1)の機能研究は格段の進歩を遂げている。特に2012年に本酵素の遺伝子変異による先天性の遺伝疾患が同定され(NGLY1欠損症)、本酵素のヒ...
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Veröffentlicht in: | Trends in Glycoscience and Glycotechnology 2019/07/25, Vol.31(181), pp.SJ55-SJ56 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ペプチド:N-グリカナーゼ(PNGase)はアスパラギン結合型(N型糖鎖)糖鎖を根元から切断する糖鎖脱離酵素である。私は1993年に哺乳動物細胞の細胞質に本酵素活性を発見して以来、一貫して本酵素の機能研究を行ってきた。2000年に酵素遺伝子を発見し、2007年には本酵素が関わる“非リソソーム糖鎖代謝機構”が広く存在することを提唱した。幸運なことに2008年に日本糖質学会の奨励賞を受賞させていただいたが、その後10年でPNGase(哺乳動物の遺伝子名はNGLY1)の機能研究は格段の進歩を遂げている。特に2012年に本酵素の遺伝子変異による先天性の遺伝疾患が同定され(NGLY1欠損症)、本酵素のヒトにおける機能の重要性については広く認知されるに至り、大きな注目を浴びている。本稿では、昨今進展が目覚しい最新のNGLY1研究について概説したい。 |
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ISSN: | 0915-7352 1883-2113 |
DOI: | 10.4052/tigg.1926.2SJ |