潜在性結核感染症に対するイソニアジド投与により好酸球性肺炎をきたした1例

「要旨」: 37歳看護師, 男性. 結核患者の吸痰処置を行った. 接触者検診にてクォンティフェロン (QFT-3G) 検査が陽性であり, 潜在性結核感染症 (LTBI) と診断し, イソニアジド (INH) 投与が開始された. 3週間後より発熱と乾性咳嗽が出現し, 胸部X線写真にて両側上肺野に浸潤影を認めた. 気管支鏡検査にて好酸球性肺炎の所見が得られ, INHによる薬剤性肺炎と診断した. 薬剤の中止のみで速やかに解熱し, 咳嗽も軽快傾向となった. INHによる薬剤性肺炎の報告は希少であるが, 今後LTBIに対するINH投与の機会は増加していくと考えられ, 投与時には薬剤性肺炎を常に念頭に置い...

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Veröffentlicht in:結核 2014-10, Vol.89 (10), p.777-780
Hauptverfasser: 梅田喜亮, 稲田祐也, 眞本卓司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」: 37歳看護師, 男性. 結核患者の吸痰処置を行った. 接触者検診にてクォンティフェロン (QFT-3G) 検査が陽性であり, 潜在性結核感染症 (LTBI) と診断し, イソニアジド (INH) 投与が開始された. 3週間後より発熱と乾性咳嗽が出現し, 胸部X線写真にて両側上肺野に浸潤影を認めた. 気管支鏡検査にて好酸球性肺炎の所見が得られ, INHによる薬剤性肺炎と診断した. 薬剤の中止のみで速やかに解熱し, 咳嗽も軽快傾向となった. INHによる薬剤性肺炎の報告は希少であるが, 今後LTBIに対するINH投与の機会は増加していくと考えられ, 投与時には薬剤性肺炎を常に念頭に置いて治療に当たるべきと考えられた.
ISSN:0022-9776