結核接触者における有症状時の医療機関受診の重要性 - 二次患者の早期発見のために

「要旨」 : 〔目的〕接触者健診対象者が発病した例を検証し, 保健所の接触者健診の精度を向上させるための着眼点や改善策を示す. 〔対象と方法〕川崎市の全保健所にて2008年から2011年までの期間に登録された新規結核患者の接触者健診内容を調査した. 接触後2年以内に二次患者が発生した例について, 発見契機・発見時期・喀痰塗抹検査結果による区分のうえ, 改善策を検討した. 〔結果〕調査した結核患者は1196名, 接触者は6157名であった. 「川崎市に登録された初発患者から生じた二次患者 (二次患者の居住地は問わない) 」は35例で, 発見契機は接触者健診31例, 有症状時受診4例であり, また...

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Veröffentlicht in:結核 2014-07, Vol.89 (7), p.667-672
Hauptverfasser: 西村正道, 眞川幸治, 松下陽子, 若尾勇
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 : 〔目的〕接触者健診対象者が発病した例を検証し, 保健所の接触者健診の精度を向上させるための着眼点や改善策を示す. 〔対象と方法〕川崎市の全保健所にて2008年から2011年までの期間に登録された新規結核患者の接触者健診内容を調査した. 接触後2年以内に二次患者が発生した例について, 発見契機・発見時期・喀痰塗抹検査結果による区分のうえ, 改善策を検討した. 〔結果〕調査した結核患者は1196名, 接触者は6157名であった. 「川崎市に登録された初発患者から生じた二次患者 (二次患者の居住地は問わない) 」は35例で, 発見契機は接触者健診31例, 有症状時受診4例であり, また, 6か月後以降の健診で発見された喀痰塗抹検査陽性例は2例だった. 「川崎市に登録された二次患者 (初発患者の居住地は問わない) 」は39例で, 発見契機は接触者健診33例, 有症状時受診6例であり, また, 6か月後以降の健診で発見された喀痰塗抹検査陽性例は4例だった. 〔考察〕6か月後以降の接触者健診で発見された喀痰塗抹検査陽性例は, 有症状時受診の指導が保健所から十分になされていれば喀痰塗抹検査陰性の段階で発見できた可能性があり, 改善の余地がある.
ISSN:0022-9776