肺Mycobacterium kansasii症と肺結核症における「拡がり1」の画像の比較・検討

〔目的〕肺Mycobacterium kansasii症と肺結核症(以下,肺結核)の胸部X線学会分類で拡がり1の症例においては画像所見による鑑別は困難と思われる。これらの画像上の特徴を明らかにするため,両者の拡がり1の症例の胸部X線およびCT画像を統計的に比較・検討することを目的とした。〔方法〕胸部X線およびCTで拡がり1と考えられた肺M.kansasii症および肺結核の,胸部X線およびCT画像の特徴を比較した。〔結果〕肺M.kansasii症は肺結核と同様に片肺病変が多く,右肺病変が多かった。肺M.kansasii症の病変は肺結核に比べ有意に上葉,特に肺尖部に多く,有空洞率が高く,孤立性病変...

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Veröffentlicht in:結核 2013, Vol.88(8), pp.619-623
Hauptverfasser: 井上, 恵理, 妹尾, 真実, 長山, 直弘, 益田, 公彦, 松井, 弘稔, 田村, 厚久, 永井, 英明, 赤川, 志のぶ, 豊田, 恵美子, 大田, 健
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕肺Mycobacterium kansasii症と肺結核症(以下,肺結核)の胸部X線学会分類で拡がり1の症例においては画像所見による鑑別は困難と思われる。これらの画像上の特徴を明らかにするため,両者の拡がり1の症例の胸部X線およびCT画像を統計的に比較・検討することを目的とした。〔方法〕胸部X線およびCTで拡がり1と考えられた肺M.kansasii症および肺結核の,胸部X線およびCT画像の特徴を比較した。〔結果〕肺M.kansasii症は肺結核と同様に片肺病変が多く,右肺病変が多かった。肺M.kansasii症の病変は肺結核に比べ有意に上葉,特に肺尖部に多く,有空洞率が高く,孤立性病変が多かった。〔結論〕肺M.kansasii症の病変は肺結核よりも肺尖部に強い局在性を示していたことからM.kansasiiに対する肺尖部のvulnerabilityが示唆された。
ISSN:0022-9776
1884-2410
DOI:10.11400/kekkaku.88.619