薬剤耐性結核の医療に関する提言

薬剤耐性結核, 特に多剤耐性結核は, 治癒率が低く治癒したとしても再発が多いため, 本人の負担だけでなく周囲への感染, 医療費などを含めて長期にわたり社会に影響を与える疾患である. 世界でも薬剤耐性結核対策は標準治療を含むDOTSの拡大の次の課題として明確に提示され, 対策が進められている. 日本における多剤耐性結核の比率は, 未治療患者では0.7%と高くはないが, 既治療患者では9.8%であり, さらに多剤耐性結核中の超多剤耐性結核の比率は29%と世界の中でも特異な高さである. 薬剤耐性結核を治療可能なうちに治癒させるための体制が不十分であった結果であると厳しく反省し, 今後の対策を進めてゆ...

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Veröffentlicht in:結核 2011-05, Vol.86 (5), p.523-528
1. Verfasser: 日本結核病学会治療委員会社会保険委員会抗酸菌検査法検討委員会
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:薬剤耐性結核, 特に多剤耐性結核は, 治癒率が低く治癒したとしても再発が多いため, 本人の負担だけでなく周囲への感染, 医療費などを含めて長期にわたり社会に影響を与える疾患である. 世界でも薬剤耐性結核対策は標準治療を含むDOTSの拡大の次の課題として明確に提示され, 対策が進められている. 日本における多剤耐性結核の比率は, 未治療患者では0.7%と高くはないが, 既治療患者では9.8%であり, さらに多剤耐性結核中の超多剤耐性結核の比率は29%と世界の中でも特異な高さである. 薬剤耐性結核を治療可能なうちに治癒させるための体制が不十分であった結果であると厳しく反省し, 今後の対策を進めてゆく必要がある. 日本結核病学会治療委員会は, 「『結核医療の基準』の見直し - 2008年」の中で標準治療が行えない場合の治療指針に関する見解を明らかにした.
ISSN:0022-9776