VII. 結核性膿胸に対する治療戦略 - 充填術の流れ

「要旨」:肺結核が流行していた1945年頃の外科療法は, 局所麻酔下に肋骨を切除する虚脱療法が主流の時代であった. 長石らは, 肋骨切除を最小限にとどめ, 人工物を充填して肺虚脱の目的を達成する手術を考案し, それ以降, 合成樹脂球やスポンジなどの人工物による補填や, 筋肉や大網などの自己弁による補填など, 様々な手法が登場した. 特に, 私が得意とする有茎性大網充填術を大網の解剖などの基礎的な事柄から, 興味ある臨床症例まで紹介する. 結核性膿胸に対する治療戦略は多様であり, 経験に頼るところが大きく, 経験の浅い会員の皆さまに読んでいただいて, 今後の臨床に活かしていただきたい....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:結核 2011-02, Vol.86 (2), p.69-78
1. Verfasser: 北野司久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:肺結核が流行していた1945年頃の外科療法は, 局所麻酔下に肋骨を切除する虚脱療法が主流の時代であった. 長石らは, 肋骨切除を最小限にとどめ, 人工物を充填して肺虚脱の目的を達成する手術を考案し, それ以降, 合成樹脂球やスポンジなどの人工物による補填や, 筋肉や大網などの自己弁による補填など, 様々な手法が登場した. 特に, 私が得意とする有茎性大網充填術を大網の解剖などの基礎的な事柄から, 興味ある臨床症例まで紹介する. 結核性膿胸に対する治療戦略は多様であり, 経験に頼るところが大きく, 経験の浅い会員の皆さまに読んでいただいて, 今後の臨床に活かしていただきたい.
ISSN:0022-9776