わが国のクリティカルケア領域における終末期看護研究の動向
本研究の目的は、わが国のクリティカルケア領域における終末期看護の患者・家族、看護師を対象とした過去15年間の文献を検討し、研究の動向を明らかにして今後の課題を論じることである。医学中央雑誌を用いて文献検索を行い、18文献を分析した。その結果、【終末期看護実践内容の明言化】【終末期患者家族への対応】【終末期ケアに関する看護師(医療者)の認識】【倫理的ジレンマ】【治療を断念した家族と医療者の認識】のカテゴリに分類された。これらのカテゴリは、クリティカルケア領域の終末期看護のケアに関した内容と、終末期看護の困難に関した内容に大別できた。終末期看護のケアに関した内容では、看護師は患者の死を予測しながら...
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Veröffentlicht in: | 日本救急看護学会雑誌 2014, Vol.16(1), pp.1-9 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究の目的は、わが国のクリティカルケア領域における終末期看護の患者・家族、看護師を対象とした過去15年間の文献を検討し、研究の動向を明らかにして今後の課題を論じることである。医学中央雑誌を用いて文献検索を行い、18文献を分析した。その結果、【終末期看護実践内容の明言化】【終末期患者家族への対応】【終末期ケアに関する看護師(医療者)の認識】【倫理的ジレンマ】【治療を断念した家族と医療者の認識】のカテゴリに分類された。これらのカテゴリは、クリティカルケア領域の終末期看護のケアに関した内容と、終末期看護の困難に関した内容に大別できた。終末期看護のケアに関した内容では、看護師は患者の死を予測しながら、家族に対して現状認知を促すとともに安寧をもたらしていた。患者に対しては、安寧と尊厳ある死をもたらす看護実践をしていた。終末期看護の困難に関した内容では、救命が大前提の場所であること、医療者と患者家族の関係が希薄であること、家族の予期悲嘆の短さ、看護師のジレンマなどが困難の要因として明らかになった。今後は、実践した看護の評価や、緊張や不安の強い家族への介入と評価、事例報告の仮説検証などが必要である。さらに、看護師のジレンマを緩和する組織的な支援、患者と家族の関係性の特徴や認識の把握などについても研究が必要である。 |
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ISSN: | 1348-0928 2189-6771 |
DOI: | 10.18902/jaen.16.1_1 |