急性腹部大動脈閉塞に対する血行再建時に,Controlled Limb Reperfusionで救命し得た一例
急性下肢動脈閉塞では,下肢切断に至る可能性があるのみならず,依然として高い致死率が報告されている.これは局所的な下肢の問題だけではなく,虚血再灌流障害が全身に影響を及ぼしうることが一因であり,腹部大動脈で閉塞する場合には影響はより重大となる.われわれは感染を契機に急性腹部大動脈閉塞により両下肢に虚血を呈した症例を経験した.症例は64歳男性.前医にてレミエール症候群と診断され加療中,腹部大動脈閉塞を発症した.血栓除去術とステントグラフト内挿術で血流再開した後,虚血再灌流障害を予防するためcontrolled limb reperfusionを用いた.術後,下腿コンパートメント症候群や,一時的な急...
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Veröffentlicht in: | 日本血管外科学会雑誌 2024/11/17, Vol.33(6), pp.343-347 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 急性下肢動脈閉塞では,下肢切断に至る可能性があるのみならず,依然として高い致死率が報告されている.これは局所的な下肢の問題だけではなく,虚血再灌流障害が全身に影響を及ぼしうることが一因であり,腹部大動脈で閉塞する場合には影響はより重大となる.われわれは感染を契機に急性腹部大動脈閉塞により両下肢に虚血を呈した症例を経験した.症例は64歳男性.前医にてレミエール症候群と診断され加療中,腹部大動脈閉塞を発症した.血栓除去術とステントグラフト内挿術で血流再開した後,虚血再灌流障害を予防するためcontrolled limb reperfusionを用いた.術後,下腿コンパートメント症候群や,一時的な急性腎障害は併発したものの,いずれも速やかに改善した.この方法を用いることにより,急性期の高カリウム血症,致死的不整脈や,代謝性アシドーシスなどを回避することができ,生命予後の改善にも寄与すると考えられる. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.24-00033 |