神経症状を伴った上肢静脈性血管瘤の1例

静脈性血管瘤(venous aneurysm: VA)は,上大静脈や頸静脈,内臓静脈から四肢の皮静脈まで広く発生し,静脈の延長や蛇行を伴わない限局性の静脈拡張病変と定義される比較的稀な疾患である.44歳男性,職業は大工,約1年前から左前腕の膨隆を自覚し,次第に仕事中において左上肢全体の疼痛と指先のしびれが生じるようになり当院整形外科を受診した.Magnetic resonance imageおよびcomputed tomography検査にて肘正中皮静脈由来の巨大なVA(42×26 mm)と診断され当科に紹介となった.有症状であったため手術適応と判断し単純切除を施行した.切除検体の病理学的所見...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2024/02/03, Vol.33(1), pp.27-29
Hauptverfasser: 大友, 勇樹, 大友, 有理恵, 井上, 信幸, 山本, 信行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:静脈性血管瘤(venous aneurysm: VA)は,上大静脈や頸静脈,内臓静脈から四肢の皮静脈まで広く発生し,静脈の延長や蛇行を伴わない限局性の静脈拡張病変と定義される比較的稀な疾患である.44歳男性,職業は大工,約1年前から左前腕の膨隆を自覚し,次第に仕事中において左上肢全体の疼痛と指先のしびれが生じるようになり当院整形外科を受診した.Magnetic resonance imageおよびcomputed tomography検査にて肘正中皮静脈由来の巨大なVA(42×26 mm)と診断され当科に紹介となった.有症状であったため手術適応と判断し単純切除を施行した.切除検体の病理学的所見もVAとして矛盾しなかった.術後1カ月目の外来フォローにて症状の完全消失を認めた.今回われわれは,上肢に発生したVAにより神経障害を呈し,VAの切除により神経障害の消失を認めた非常に稀な1例を経験した.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.23-00082