肺塞栓症を契機に発見された膝窩静脈性血管瘤の1手術例

【背景】静脈性血管瘤は限局的拡張病変で,稀な疾患である.肺塞栓症を契機に発見された膝窩静脈血管瘤を報告する.【症例】68歳,女性.既往歴・内服歴はない.2妊2産.血栓性素因の家族歴.数日前からの動悸,息切れを主訴に受診した.血圧79/54 mmHg,脈拍129回/分,SpO2 85%,呼吸数28回/分,体温36.6°C,下肢の浮腫や表在静脈の拡張は認めず.造影CT検査で両側肺動脈内の血栓と,右膝窩静脈に血栓を伴う直径30 mmの囊状の静脈性血管瘤を認めた.肺塞栓症に対して2週間の抗凝固療法を行ったところ,肺動脈内の血栓は消失し呼吸症状も改善した.その後膝窩静脈血管瘤に対して縫縮術を行った.術後...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2023/12/17, Vol.32(6), pp.443-447
Hauptverfasser: 小坂, 淳生, 橋本, 宗敬, 河村, 圭一郎, 堀井, 晋一良, 佐藤, 博子, 玉手, 義久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【背景】静脈性血管瘤は限局的拡張病変で,稀な疾患である.肺塞栓症を契機に発見された膝窩静脈血管瘤を報告する.【症例】68歳,女性.既往歴・内服歴はない.2妊2産.血栓性素因の家族歴.数日前からの動悸,息切れを主訴に受診した.血圧79/54 mmHg,脈拍129回/分,SpO2 85%,呼吸数28回/分,体温36.6°C,下肢の浮腫や表在静脈の拡張は認めず.造影CT検査で両側肺動脈内の血栓と,右膝窩静脈に血栓を伴う直径30 mmの囊状の静脈性血管瘤を認めた.肺塞栓症に対して2週間の抗凝固療法を行ったところ,肺動脈内の血栓は消失し呼吸症状も改善した.その後膝窩静脈血管瘤に対して縫縮術を行った.術後6カ月間の抗凝固療法を行った.2年経過し再発は認めない.【結論】膝窩静脈血管瘤は肺塞栓症を合併することが報告されており,早期の手術治療が必要と考える.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.23-00057