透析時の腹痛で発症した慢性腸管虚血の1例

症例は80歳男性で,透析時の腹痛を主訴に当院を紹介受診した.腹部造影CT検査や血管造影検査で上腸間膜動脈(SMA)狭窄を認め,下腸間膜動脈(IMA)は起始部から閉塞しており,慢性腸管虚血(CMI)と診断した.本症例では動脈の石灰化が著明であり,血管内治療ではなく外科的バイパス術の方針とした.石灰化は広範囲に及び腹部大動脈や右腸骨動脈からの吻合も困難であったため,左外腸骨動脈からの非解剖学的経路によるバイパスを選択し,大伏在静脈グラフト(SVG)を使用した.術後症状は消失し順調に回復したため文献的考察を交えて報告する....

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2023/07/16, Vol.32(4), pp.285-288
Hauptverfasser: 加藤, 有紀, 中村, 康人, 河合, 憲一, 石田, 成吏洋, 熊田, 佳孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は80歳男性で,透析時の腹痛を主訴に当院を紹介受診した.腹部造影CT検査や血管造影検査で上腸間膜動脈(SMA)狭窄を認め,下腸間膜動脈(IMA)は起始部から閉塞しており,慢性腸管虚血(CMI)と診断した.本症例では動脈の石灰化が著明であり,血管内治療ではなく外科的バイパス術の方針とした.石灰化は広範囲に及び腹部大動脈や右腸骨動脈からの吻合も困難であったため,左外腸骨動脈からの非解剖学的経路によるバイパスを選択し,大伏在静脈グラフト(SVG)を使用した.術後症状は消失し順調に回復したため文献的考察を交えて報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.23-00025