肩関節脱臼整復時に発症した右腋窩動脈損傷を伴う急性動脈閉塞の一例

肩関節脱臼に伴う腋窩動脈損傷の発生率は約1–2%と稀であり,多くは50歳以上で発症する.症例は83歳女性.転落による右肩関節脱臼の整復直後から右上肢の動脈を触知できなくなり,動脈損傷を伴う急性動脈閉塞が疑われ当院へ救急搬送された.造影CT検査で右肩関節部の腋窩動脈が閉塞しており緊急手術を行った.右腋窩動脈損傷部は内膜が完全離断し,外膜は引きつれて細径化していた.損傷部を切離し血栓除去後,断端をトリミングし,直接連続端々吻合で再建した.術直後より右撓骨動脈は触知可能となった.経過良好につき,術後10日目に自宅退院となった.稀な症例を経験したので,考察を加えて報告する....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2023/03/03, Vol.32(2), pp.83-86
Hauptverfasser: 植村, 翼, 荒田, 憲一, 下石, 光一郎, 福元, 祥浩, 四元, 剛一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:肩関節脱臼に伴う腋窩動脈損傷の発生率は約1–2%と稀であり,多くは50歳以上で発症する.症例は83歳女性.転落による右肩関節脱臼の整復直後から右上肢の動脈を触知できなくなり,動脈損傷を伴う急性動脈閉塞が疑われ当院へ救急搬送された.造影CT検査で右肩関節部の腋窩動脈が閉塞しており緊急手術を行った.右腋窩動脈損傷部は内膜が完全離断し,外膜は引きつれて細径化していた.損傷部を切離し血栓除去後,断端をトリミングし,直接連続端々吻合で再建した.術直後より右撓骨動脈は触知可能となった.経過良好につき,術後10日目に自宅退院となった.稀な症例を経験したので,考察を加えて報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.22-00098