感染性胸部大動脈瘤に対して腹部大動脈3D-CTによりアクセスルートを決定しTEVARを施行したporcelain aortaの1例

症例は63歳女性.維持透析施行中に発熱と寒気を認め,症状が改善しないため当院救急搬送となり,シャント穿刺部からの血流感染の疑いで入院となった.徐々に腰痛の増悪を認めたため,入院5日目に胸腹部造影CTを施行したところ,感染性胸部大動脈瘤の切迫破裂の所見を認めた.破裂を防ぐために胸部ステントグラフト内挿術を行う方針としたが,全身の血管の高度石灰化を認める,porcelain aortaであり,アクセスルートの選択に難渋した.CTを検討した結果,腹部大動脈に一部石灰化の抜けている部位を認めたため,開腹下でその1点からTEVARを行い救命を得た.術後は経静脈的抗菌薬を6週間行い,経口抗菌薬に変更し外来...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2022/04/28, Vol.31(2), pp.81-84
Hauptverfasser: 中村, 康人, 熊田, 佳孝, 森, 旭弘, 河合, 憲一, 石田, 成吏洋, 春日井, 敏夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は63歳女性.維持透析施行中に発熱と寒気を認め,症状が改善しないため当院救急搬送となり,シャント穿刺部からの血流感染の疑いで入院となった.徐々に腰痛の増悪を認めたため,入院5日目に胸腹部造影CTを施行したところ,感染性胸部大動脈瘤の切迫破裂の所見を認めた.破裂を防ぐために胸部ステントグラフト内挿術を行う方針としたが,全身の血管の高度石灰化を認める,porcelain aortaであり,アクセスルートの選択に難渋した.CTを検討した結果,腹部大動脈に一部石灰化の抜けている部位を認めたため,開腹下でその1点からTEVARを行い救命を得た.術後は経静脈的抗菌薬を6週間行い,経口抗菌薬に変更し外来で治療を継続した.術後1年経過するが感染なく経過しており,良好な結果が得られたため,文献的考察を交えて報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21-00083