遺残坐骨動脈閉塞症の急性増悪に対する薬物・運動療法の1例

遺残坐骨動脈はまれな先天異常であり,頻度は0.025~0.05%と報告されている.今回われわれは,遺残坐骨動脈閉塞による急性増悪に対する薬物・運動療法での改善例を経験したので報告する.症例は72歳,女性.右下肢の冷感,感覚麻痺を認めるようになったため受診.右大腿動脈の触知は認めたが,右膝窩動脈,足背動脈,後脛骨動脈の触知は認めなかった.Ankle brachial index(ABI)は右0.58,左1.17であった.造影CTにて両側遺残坐骨動脈および右遺残坐骨動脈および膝窩動脈,前脛骨動脈閉塞を認めた.後脛骨動脈,腓骨動脈は側副血行により造影されていた.以上より完全型遺残坐骨動脈の慢性閉塞の...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2021/09/03, Vol.30(5), pp.279-282
Hauptverfasser: 平田, 昌敬, 薦岡, 成年, 内田, 直里
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:遺残坐骨動脈はまれな先天異常であり,頻度は0.025~0.05%と報告されている.今回われわれは,遺残坐骨動脈閉塞による急性増悪に対する薬物・運動療法での改善例を経験したので報告する.症例は72歳,女性.右下肢の冷感,感覚麻痺を認めるようになったため受診.右大腿動脈の触知は認めたが,右膝窩動脈,足背動脈,後脛骨動脈の触知は認めなかった.Ankle brachial index(ABI)は右0.58,左1.17であった.造影CTにて両側遺残坐骨動脈および右遺残坐骨動脈および膝窩動脈,前脛骨動脈閉塞を認めた.後脛骨動脈,腓骨動脈は側副血行により造影されていた.以上より完全型遺残坐骨動脈の慢性閉塞の急性増悪と診断.安静時疼痛は認めず,薬物・運動療法を施行した.徐々に虚血症状は改善し,造影CTでも血流の改善を認めた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21-00015