16S rRNA遺伝子解析によりHelicobacter cinaediを同定しえた感染性腹部大動脈瘤の一例

感染性腹部大動脈瘤は,感染巣の除去と適切な抗菌薬治療が重要である.症例は67歳,男性.発熱と腰痛のため近医を受診,造影CTで腹部大動脈周囲に脂肪織混濁を認め,感染が疑われたため当科紹介となった.臨床所見から感染性腹部大動脈瘤を疑い,抗菌薬(VCM,MEPM)加療を開始した.血液培養検査で菌は検出されなかった.Follow up CTで最大短径44 mmと急速な拡大を認めたため,手術を施行した.抗菌薬を浸漬させた人工血管を用いて,瘤切除と人工血管置換術および大網充填術を施行した.瘤壁の細菌培養および16S rRNA遺伝子解析を施行した.培養検査は陰性であったためVCM,MEPMを継続した.瘤壁の...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2021/02/26, Vol.30(1), pp.1-5
Hauptverfasser: 殿村, 玲, 廣瀬, 友亮, 阿部, 毅寿, 早田, 義宏, 平賀, 俊, 谷口, 繁樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:感染性腹部大動脈瘤は,感染巣の除去と適切な抗菌薬治療が重要である.症例は67歳,男性.発熱と腰痛のため近医を受診,造影CTで腹部大動脈周囲に脂肪織混濁を認め,感染が疑われたため当科紹介となった.臨床所見から感染性腹部大動脈瘤を疑い,抗菌薬(VCM,MEPM)加療を開始した.血液培養検査で菌は検出されなかった.Follow up CTで最大短径44 mmと急速な拡大を認めたため,手術を施行した.抗菌薬を浸漬させた人工血管を用いて,瘤切除と人工血管置換術および大網充填術を施行した.瘤壁の細菌培養および16S rRNA遺伝子解析を施行した.培養検査は陰性であったためVCM,MEPMを継続した.瘤壁の16S rRNA遺伝子解析によりHelicobacter cinaediが検出されたため,抗菌薬をAMPC,MINOに変更した.術後CTで異常を認めず,術後22日目に独歩自宅退院となった.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20-00068