心外型未破裂左バルサルバ洞動脈瘤に対してパッチ修復と左冠動脈主幹部再建を施行した1例

症例は67歳,男性.無症状.肝細胞癌による肝切除の既往歴があった.定期造影CT検査で,左バルサルバ洞動脈瘤を偶然に指摘された.その2年後のCT検査にて新たに瘤内に壁在血栓が出現し,拡大傾向を認めたため手術適応と判断した.術前心臓超音波検査で,大動脈弁閉鎖不全症は認められなかった.手術は,瘤切除および左冠動脈開口部を含めた瘤開口部のパッチ修復術と大伏在静脈を使用して左冠動脈主幹部再建を行った.手術後,とくに合併症なく第11病日に退院となった.バルサルバ洞動脈瘤は,心臓手術でも0.1~3%と稀な疾患であるが,そのほとんどは右あるいは無冠動脈洞由来であり,左冠動脈洞由来は極めて稀である.今回,心外型...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2020/10/22, Vol.29(5), pp.347-350
Hauptverfasser: 瀬戸崎, 修司, 羽室, 譲, 山本, 賢二, 榎本, 栄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は67歳,男性.無症状.肝細胞癌による肝切除の既往歴があった.定期造影CT検査で,左バルサルバ洞動脈瘤を偶然に指摘された.その2年後のCT検査にて新たに瘤内に壁在血栓が出現し,拡大傾向を認めたため手術適応と判断した.術前心臓超音波検査で,大動脈弁閉鎖不全症は認められなかった.手術は,瘤切除および左冠動脈開口部を含めた瘤開口部のパッチ修復術と大伏在静脈を使用して左冠動脈主幹部再建を行った.手術後,とくに合併症なく第11病日に退院となった.バルサルバ洞動脈瘤は,心臓手術でも0.1~3%と稀な疾患であるが,そのほとんどは右あるいは無冠動脈洞由来であり,左冠動脈洞由来は極めて稀である.今回,心外型未破裂左バルサルバ洞動脈瘤の外科的手術を経験したので,若干の考察を加えて報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20-00061