腹部大動脈瘤術後遠隔期の非吻合部仮性動脈瘤に対して血管内治療を行った1例
人工血管による血行再建術後遠隔期に人工血管関連の合併症に対する再手術を要する症例が一定の割合で存在する.症例は86歳男性.1998年腹部大動脈瘤,2006年胸部大動脈瘤に対して人工血管置換術を施行,以後近医で経過観察されていた.CTで右内腸骨動脈瘤と診断され,2018年10月当科紹介となった.当院CTで右内腸骨動脈瘤47 mm, 人工血管(Yグラフトのボディ)周囲45×40 mmに拡大していた(2014年7月35×33 mm).造影CTで人工血管左脚の中枢周囲に造影剤の漏出を認めたが,吻合部異常,脂肪織濃度上昇なく感染兆候もなかった.人工血管劣化による破綻を疑った.血管内治療を選択し,上臀/下...
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Veröffentlicht in: | 日本血管外科学会雑誌 2020/07/17, Vol.29(4), pp.231-234 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 人工血管による血行再建術後遠隔期に人工血管関連の合併症に対する再手術を要する症例が一定の割合で存在する.症例は86歳男性.1998年腹部大動脈瘤,2006年胸部大動脈瘤に対して人工血管置換術を施行,以後近医で経過観察されていた.CTで右内腸骨動脈瘤と診断され,2018年10月当科紹介となった.当院CTで右内腸骨動脈瘤47 mm, 人工血管(Yグラフトのボディ)周囲45×40 mmに拡大していた(2014年7月35×33 mm).造影CTで人工血管左脚の中枢周囲に造影剤の漏出を認めたが,吻合部異常,脂肪織濃度上昇なく感染兆候もなかった.人工血管劣化による破綻を疑った.血管内治療を選択し,上臀/下臀動脈をコイル塞栓後,全人工血管を内腔から被覆するようにステントグラフトを内挿した.術後CTで造影剤の漏出は消失した.低侵襲手術で良好な結果を得たので報告する. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.20-00040 |