慢性B型大動脈解離の偽腔拡大例に対し,エントリー閉鎖と偽腔塞栓術が奏功した1例

症例は76歳女性,20年前にStanford B型の大動脈解離を発症し,保存的に加療されていた.経時的に大動脈偽腔径が拡大し,腹部で最大短径55 mmとなり手術適応となった.造影CTでは下行大動脈遠位にエントリー,両側総腸骨動脈末梢にリエントリーを有する偽腔開存型解離であり,腹部主要分枝はすべて真腔起始であった.Adamkiewicz動脈は同定できなかった.治療は下行大動脈のエントリーはステントグラフトによる閉鎖,右総腸骨動脈のリエントリーは内腸骨動脈をコイル塞栓の上,ステントグラフト脚で閉鎖した.さらに左側は内腸骨動脈を温存すべく,左側リエントリーを介して左総腸骨動脈の偽腔内コイル塞栓を行っ...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2019/06/15, Vol.28(3), pp.209-212
Hauptverfasser: 濵口, 真里, 杉本, 貴樹, 深瀬, 圭吾, 南, 一司, 魚谷, 健祐, 濱中, 章洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は76歳女性,20年前にStanford B型の大動脈解離を発症し,保存的に加療されていた.経時的に大動脈偽腔径が拡大し,腹部で最大短径55 mmとなり手術適応となった.造影CTでは下行大動脈遠位にエントリー,両側総腸骨動脈末梢にリエントリーを有する偽腔開存型解離であり,腹部主要分枝はすべて真腔起始であった.Adamkiewicz動脈は同定できなかった.治療は下行大動脈のエントリーはステントグラフトによる閉鎖,右総腸骨動脈のリエントリーは内腸骨動脈をコイル塞栓の上,ステントグラフト脚で閉鎖した.さらに左側は内腸骨動脈を温存すべく,左側リエントリーを介して左総腸骨動脈の偽腔内コイル塞栓を行った.術後経過は脊髄虚血や臓器虚血などの合併症なく,術後12日目に独歩退院した.follow-up CTでは偽腔の血栓化が得られ,瘤径は1年後には55 mmから22 mmへと著明に縮小した.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.19-00018