巨大総肝動脈瘤に対して血管内治療を併用して外科的治療を施行した1手術例

肝動脈瘤は稀であり,近年血管内治療が積極的に行われているが,外科治療と併用して行われた例は少ない.われわれは巨大総肝動脈瘤に対して,血管内治療を併用して外科的治療を施行した.症例は79歳女性.食欲低下があり,上部内視鏡検査にて胃体部後壁の腫瘤を指摘され,腹部造影CT検査で最大径10 cmの腹部内臓動脈瘤を認めた.腹腔動脈造影検査では脾動脈分岐部の腹腔動脈末梢に巨大動脈瘤を認め,瘤から右肝動脈と胃十二指腸動脈が分岐したため,総肝動脈瘤と診断した.手術は,出血コントロールが不能になることを危惧し,開腹前に瘤背側の脾動脈をコイル塞栓した.胃結腸間膜を切開して瘤に到達し,瘤を切開後に瘤内で腹腔動脈から...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2018/12/27, Vol.27(6), pp.503-506
Hauptverfasser: 児玉, 渉, 西村, 謙吾, 浜崎, 尚文, 山本, 修一, 河合, 剛, 吹野, 俊介
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:肝動脈瘤は稀であり,近年血管内治療が積極的に行われているが,外科治療と併用して行われた例は少ない.われわれは巨大総肝動脈瘤に対して,血管内治療を併用して外科的治療を施行した.症例は79歳女性.食欲低下があり,上部内視鏡検査にて胃体部後壁の腫瘤を指摘され,腹部造影CT検査で最大径10 cmの腹部内臓動脈瘤を認めた.腹腔動脈造影検査では脾動脈分岐部の腹腔動脈末梢に巨大動脈瘤を認め,瘤から右肝動脈と胃十二指腸動脈が分岐したため,総肝動脈瘤と診断した.手術は,出血コントロールが不能になることを危惧し,開腹前に瘤背側の脾動脈をコイル塞栓した.胃結腸間膜を切開して瘤に到達し,瘤を切開後に瘤内で腹腔動脈からのinflowを縫合閉鎖した.Outflowの胃十二指腸動脈と右肝動脈を剝離して端端吻合し,肝臓の血流を維持した.現在,再燃はない.血管内治療を併用して外科的治療を行うことで,治療を安全に施行できたと思われた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00103