腹部大動脈をアクセスルートに選択した緊急TEVARの2例

胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR: Thoracic Endovascular Aortic Repair)は,侵襲度の低さから,リスクが高い症例に対して積極的に行われるようになった.通常TEVARのアクセスルートは大腿動脈が使用され,比較的口径の大きいシースを挿入する必要がある.今回,動脈硬化性変化が高度のため大腿動脈をアクセスルートとして使用できず,腹部大動脈をアクセスルートとせざるをえなかった緊急TEVARの2例を経験したので報告する.症例1: 86歳女性,大動脈食道瘻の患者.腹部大動脈は著しく蛇行しており,両側総腸骨動脈径は細く大腿動脈からのアプローチは困難,腹部大動脈をアクセス...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2018/12/15, Vol.27(6), pp.477-480
Hauptverfasser: 榊原, 賢士, 中島, 博之, 白岩, 聡, 本田, 義博, 葛, 仁猛, 加賀, 重亜喜
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR: Thoracic Endovascular Aortic Repair)は,侵襲度の低さから,リスクが高い症例に対して積極的に行われるようになった.通常TEVARのアクセスルートは大腿動脈が使用され,比較的口径の大きいシースを挿入する必要がある.今回,動脈硬化性変化が高度のため大腿動脈をアクセスルートとして使用できず,腹部大動脈をアクセスルートとせざるをえなかった緊急TEVARの2例を経験したので報告する.症例1: 86歳女性,大動脈食道瘻の患者.腹部大動脈は著しく蛇行しており,両側総腸骨動脈径は細く大腿動脈からのアプローチは困難,腹部大動脈をアクセスルートとした.症例2: 89歳男性,胸部大動脈瘤破裂の症例.右大腿動脈からアプローチしたが屈曲,外腸骨動脈の狭窄が強く22 Frシースが通過しないため,腹部大動脈へアクセスルートを変更した.腹部大動脈をアクセスルートとする方法は,緊急手術であっても比較的容易にアプローチできるため,他のアクセスルートが選択できない場合,有用な方法と考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00057