大腿深動脈瘤破裂に対する一手術例

大腿深動脈瘤破裂はまれな疾患であり,その治療方針については議論の余地がある.今回筆者らは,本疾患に対する手術症例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.症例は80歳,男性.2年前に両側大腿深動脈瘤と診断されていたが,この際は本人の希望で右側のみの手術となった.今回は,突然の左大腿部痛が出現して,当院救急外来へ搬送された.造影CTで左大腿深動脈瘤破裂を認め,緊急手術となった.左大腿深動脈は総大腿動脈からの分岐後first branchを出した以後に巨大な血腫を伴い,瘤形成していた.浅大腿動脈以下の末梢血流は良好に描出されていたため,血行再建は行わず,動脈瘤切除術のみを施行した.術後経過は良好...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2018/09/11, Vol.27(5), pp.347-350
Hauptverfasser: 洞井, 和彦, 鄒, 貴光, 吉良, 浩勝, 曽我, 欣治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:大腿深動脈瘤破裂はまれな疾患であり,その治療方針については議論の余地がある.今回筆者らは,本疾患に対する手術症例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.症例は80歳,男性.2年前に両側大腿深動脈瘤と診断されていたが,この際は本人の希望で右側のみの手術となった.今回は,突然の左大腿部痛が出現して,当院救急外来へ搬送された.造影CTで左大腿深動脈瘤破裂を認め,緊急手術となった.左大腿深動脈は総大腿動脈からの分岐後first branchを出した以後に巨大な血腫を伴い,瘤形成していた.浅大腿動脈以下の末梢血流は良好に描出されていたため,血行再建は行わず,動脈瘤切除術のみを施行した.術後経過は良好であり,下肢虚血などの合併症は認められなかった.また,瘤拡大(最大径20 mm以上)を認めた場合は早期に手術をすることが望ましいと思われた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00078